有機飼料提供企業
弓削多醤油(株)の有機醤油粕
弓削多醤油(株)は埼玉県坂戸市で大正12年から醤油造りを続けるお醤油蔵。あと数年で100年となる老舗中の老舗です。国産の大豆と小麦、天日塩を原料に、いまでは少なくなった昔ながらの杉の木桶で醤油を仕込む蔵です。
その弓削多醤油(株)が醸造する有機醤油は、主に青森県で生産される有機丸大豆と有機小麦で仕込まれます。ちなみに国産の有機大豆・有機小麦はともに、国内消費量の0.1%未満という稀少さ。これほど贅沢なお醤油にはなかなか出会えません。
その弓削多有機醤油を絞った際に出る醤油粕は、やはり貴重なオーガニックの醤油粕。でも、同社代表を務める弓削多洋一さんは以前、この粕を捨てていたと言います。
「うちの規模で、醤油粕は毎日400キロくらい出てきます。以前から畜産の餌にすることもありましたが、毎日持って行ってくれるわけではありません。毎年100万円以上のお金を払って産業廃棄物として捨てていました。それがある日、オーガニックの展示会で青山さんと出会い、『オーガニック醤油粕を牛の餌として購入させてもらえないか』と言われ、たいそう驚きました。オーガニックの醤油粕として使用していただくためにオーガニックの格付ということをしなければなりませんが、捨てるよりは、世の中の役に立つ方がいい。しかも買い取っていただけるので、ありがたく思っています。有機醤油の粕がオーガニック畜産の役に立つなんて、こんなに嬉しいことはありません。」
有機醤油粕は大豆と小麦からできていますから、たんぱく質がとても豊富で、牛の赤身肉をつくってくれます。ほどよく残った塩味も、牛の塩分補給にちょうどよい。しかも、酵母菌、乳酸菌で発酵しているので、整腸作用がはたらき牛の体調がよくなります。そしてなにより、醤油の含む芳香とうま味は牛にとってもおいしいようで、牛が喜んで食べるのです。
弓削多醤油(株)の有機醤油粕は釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフにとって欠かすことのできない“ごちそう”なのです。
弓削多醤油株式会社 | 住所 : 埼玉県坂戸市多和目475 電話 : 049-286-0811 http://yugeta.com/ |
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アルファフードスタッフ(株)のオーガニックドライフルーツ&ナッツ
アルファフードスタッフ(株)は、今年で設立95年となる食品原料の卸売を営む老舗企業。お客様の多くが製菓メーカーだったので、小麦粉などの製菓原料も扱うようになりました。2001年にオーガニックのJAS法が施行されたのち、2006年にオーガニックの輸入と小分け、製造の認定を取得。これによって、海外で生産されたオーガニックの原料を独自に集めて輸入し、パッケージに小分けして販売することができるようになりました。そんなことができる事業者は当時ほかにいなかったため、「こういう製品はできないか?」という相談があいつぎ、だんだんと規模が大きくなっていったということでした。
現在、同社の大きな柱の一つがオーガニック原料を使用した家庭向け商品の製造です。有名なスーパーで販売されているお洒落なパッケージの”Biokashi”というブランドは、おそらくみなさんも観たことがあるのではないでしょうか。また現在は首都圏を中心に展開するオーガニックスーパーにいくと、ナッツやシリアル、ドライフルーツの量り売りをする売場があります。およそ90種にも及ぶこれらの供給一手に引き受けるのがアルファフードスタッフ(株)なのです。
名古屋市の工場では、最先端の衛生的な設備のなかでドライフルーツやナッツ原料の検品が毎日行われます。外観、臭い、味などの官能検査を行って良か不良かを選別するのですが、ご存じの通り、日本の消費者が商品の見た目に求める基準はとても厳しいもの。割れていたり色がわるかったりというものをはじいていくと、すべての品目を合わせて月に100~200kg程度の規格外品が出るそうです。
「残念ながらこれらは日本では食品として販売することができません。でも、これらもオーガニックの認証をとった食品なのです。そのまま産業廃棄物として捨てるにはしのびない、とずっと思っていました」(アルファフードスタッフ(株) 浅井紀洋さん)。
そんな折り、オーガニック関連の展示会に”Biokashi”の商品を出展していたところ、青山商店の次郎さんが通りかかって「オーガニックの規格外品、ありませんか?」と尋ねられたそうです。
「正直、家畜の餌になるなんて、思ってもみませんでしたので、半信半疑でした。商品を買いたいバイヤーが来たのかと思ったら「規格外品が欲しい」というのですから。ただ、弊社でもサステナビリティやフードロス問題に注目が集まっている現在、オーガニックの規格外品を捨てているということは、問題だとも考えていました。青山さんと話をするうちに、その真摯な態度にも感銘を受け「やってみよう」と決心しました。」
もちろん、この取り組みはアルファフードスタッフ(株)の側にも負担がかかるものです。それまで捨てていたものをオーガニックの原料として使うためには、定められた状態に梱包し、何月何日製造分から出た規格外品だと記録をして、オーガニック格付を再度行う必要があります。
「たしかに手間はかかります。ただ、弊社の企業理念は「私たちは『食』を通して環境と資源を考えます」というもの。その”考える”には当然ながらサステナビリティが含まれているわけです。オーガニック食品を広めること、製造過程でのフードロスを抑えること、量り売りを推進することでフードロスを削減すること、そして副産物や規格外品を使って食品を開発すること。こうしたことからすれば、弊社から発生した規格外品をオーガニックビーフの飼料として活用していただけるのは、とてもうれしいことなのです。」
釧路の牧場で、アルファフードスタッフ(株)のドライフルーツやナッツが入った特製のオーガニック飼料を食べているときの牛たちを見ると、我先にという勢いで美味しそうに食べています。人が食べてもおいしいオーガニックのドライフルーツやナッツは、アンガス牛にとってもうれしい”ごちそう”なのです。
アルファフードスタッフ株式会社 | 住所 : 愛知県名古屋市西区名駅二丁目27番39号 電話 : 052-563-0311 https://www.alpha-food.co.jp |
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